テトラcoco通信
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【令和7年度進路説明会レポート】入学からその先を見すえて

進路説明会のご報告
5月11日に、保護者の皆さまを対象に「令和7年度進路説明会」を開催いたしました。進路という言葉を聞くと「高校受験」や「将来の職業」を連想されるかもしれませんが、実は中学校入学のタイミングから進路の選択肢は広がり始めます。この説明会では、お子さまの成長段階に応じてどのような準備が必要か、どのような力を育てていくことが大切かという視点からお話しさせていただきました。
中学校の進路を考える
まず第一部では、中学校進学にあたっての選択肢や、その後の進路の見通しについてご説明しました。
私立中学校、公立中学校、公立中高一貫校、高等支援学校など、選べる道はさまざまです。それぞれに必要な力や入試の内容が異なりますので、「わが子に合った進路は何か」を早い段階から意識しておくことが大切です。
進学後は、「中一ギャップ」と言われるように、生活面・学習面の両方で大きな変化が訪れます。
教科担任制になり、クラブ活動や校則も加わり、日々のスケジュール管理や人との関わり方など、生活面での自立が強く求められるようになります。
学習面でも、定期テストや家庭学習の増加など、小学校の時とは異なる学び方が必要になります。
私たちの教室では、こうした変化にスムーズに対応できるよう、「情報を整理する」「自分で考える」「必要なサポートを求める」といった力を育てる取り組みを行っています。
たとえば、提出物の整理や予定の立て方などを職員と一緒に練習し、少しずつ自分でできるように支援しています。
また、中学校入学前に意識しておきたいのが、「自立」と「自律」です。
自分の力で行動する力(自立)と、ルールを守って行動する力(自律)は、どちらも中学校生活の中で必要とされる大切な力です。
これらの力を支えるのが、「自分の思いや状況を言葉で伝える力」です。
自己表現の力は、学校でも家庭でも、安心して過ごすための土台になります。
高校への進路を見据えて
第二部では、高校進学を視野に入れた進路の選び方についてご説明しました。
高校とひと口に言っても、そこには多様な学びのスタイルが存在します。
たとえば、通級指導教室のある高校、自立支援コースや共生推進校、クリエイティブスクールや高等支援学校など、それぞれの学校に特徴があります。
進路選択において大切なのは、「その学校でどのように学べるか」「卒業後にどうつながるか」という視点です。
授業のスタイルやサポート体制、教職員の専門性、少人数制の有無、卒業後の就労・進学実績などを事前にしっかりと確認し、「入って終わり」ではなく、「入ってからどう育つか」を見据えることが重要です。
試験制度についてもご説明しました。
特別選抜や一般選抜、調査書や自己申告書、アドミッションポリシーなど、高校ごとに求められることは異なります。
合理的配慮が必要な場合は、事前に学校と相談し、配慮事項を明確にしておくことがポイントです。
進路決定に向けては、早めの情報収集と、選択肢のメリット・デメリットをしっかり知ることが必要です。
そして何より、子ども自身が自分の進む道を理解し、納得して選べるように、日頃から「自己決定する力」「やりぬく力」「助けを求める力(受援力)」を育てていくことが、私たちの目指す支援の中心です。
講演後のQ&Aとアンケートについて
講演終了後には、保護者の皆さまからご質問をいただきました。
熱心なご意見・ご質問に、私たち職員も大変刺激を受けました。
参加後のアンケートには、「今やるべきことがわかり大変勉強になった」「中学校入学までに準備したらいいことがわかり見通しが立った」「色々な選択肢を知ることができた」など、多くのご感想をいただきました。
また、当日は教室の職員も参加し、講演内容を通して支援のあり方を見直す機会にもなりました。
保護者の皆さまと同じ目線で学びを深めることができ、日々の支援に生かせる多くの気づきを得られた時間となりました。
今回、多くの方々にお申込みとご参加をいただきまして、誠にありがとうございました。
お子様と一緒に進路を考えるときに、今回お話しした内容が少しでもお役に立てれば幸いです。
今後も、保護者の皆さまと共に、お子さまの成長と未来を支えていけるよう取り組んでまいります。