テトラcoco通信
Column
【天満ライフスキル】動画上映会を開催しました。
例年ライフスキルクラス主催で実行していた「文化祭」は、2020年3月の新型コロナウィルス感染症蔓延からは、各教室のクラス毎での活動になっており、ライフスキルクラスでは毎年動画作成をしています。
文化祭は、他教室との合同作業で子ども達が協力しあい、大きな行事の企画立案から実行に移すまでの過程で、とても大きな成長が見られる行事であっただけにとても残念ではありますが、子ども達も新しい生活習慣の中での学びを得ています。
■意見のすり合わせ
天満教室のライフスキルでは、12月10日の上映会に向けて、先ず全員で何を映像化するかを考える話し合いから始めました。
9月から始めた話し合いでは紆余曲折がありました。
自分の意見が通らない時に「無視をされた」「拒否をされた」と思いこんでしまい、外部からの意見を全て聞き入れられなくなってしまった子がいました。
恐らく、学校であれば放っておかれる状態だと思います。
その時に残りのメンバーがとった行動は、粘り強く説得をすることでした。
「みんなで意見を納得いくようにすり合わせる」という目的を達成するために一人一人が頑張りました。
どのような伝え方がいいのか、何に対して拗ねてしまったのか、代替え案として何を提示するか…沢山みんなで考え、実行しながら修正をしていきました。
拗ねてしまった子も「自分は見放されていない」ことを実感してくれたのではないかと思います。
結果的に、自分の提案は通らなかったけれど皆で決めたダンスは一生懸命に練習していました。
説得を試みたメンバーも、どのような伝え方がいいのか、相手のことを考えながら何ができるかを皆で知恵を出し合いながら試行錯誤してくれたのは、話し合いを進める時に一人として欠かさないように気を付けてくれていました。
この出来事は、相互の成長にも繋がったのではないかと思います。
■子どもたちの成長
天満教室のライフスキルクラスのメンバーは小学生クラスのSSTから参加している子が多く、その時の姿から比べると驚くほど成長していると感じました。
小学生の時は、集団に入ることすらできなくて大泣きしていた子、自分勝手な行動しかできなかった子もいます。そのような昔の姿からは想像もつかないような姿でした。
目的を達成するための粘り強さが実を結び、最終的な話し合いで意見をまとめることができました。
沢山の意見が出た中で「一か月半でできる内容か、実行可能か」を考えました。
自分達に与えられた時間の中でどのようにして完成させるかを現実的に考えるように進めている彼らは頼もしく見えました。
大人が介入せずとも自分達だけで話し合いができるようになるまでの道のりは正直険しいです。
長い時間をかけてそれができるようになったのも、互いが互いを尊重し合える間柄であったから、失敗してもそれを受け入れてくれる仲間の安心感があってこそだと思います。
■自分たちの意思で決定する
このクラスは、自分達の意思で物事を決定していくことを練習できるようにプログラムを組んでいます。
自分の意思を表明すること、自分と異なる意見にも耳を傾け受け入れること、話し合いで決まったことには後から苦言しないこと…等、集団行動をしていく中で大切になることを学んでもらいたいと思っています。
それらを実行できている姿を見て、私達も嬉しく思いました。
それぞれが自分の意見を出し、それに対して他のメンバーが意見を出し合いすり合わせをしていくまでの過程を保護者の方に是非見ていただきたいと思いました。
クラスで決めた目的に沿って考えてくれたからこその動画の完成がありました。
当日の上映会にご参加いただいた保護者の皆様からの感想では「今やっていることは無駄にはならない、いつか役に立つ時がくる」「真面目に頑張っている姿との差が面白かった」「小さい頃から一緒に頑張っている皆を見てすごく成長したと思った」と素敵なコメントを沢山いただくことができました。
中学生という多感な時期で、一番成長の度合いが大きな時期に関わることができ、皆の成長を見守ることができたこと、感謝しています。
クラスの運営にご理解とご協力をくださった保護者の皆様にも心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。