事例紹介
Case study
中学校になると、教科の数も増え副教材(ワーク等)も多くなります。
そのような中で、忘れ物がなくならない生徒も多くいます。
それは、試験前の学習に大きく影響しますし、提出物が出せないことにもつながります。
「国語のノートがどれかわからない」「このワークが何かわからない」という生徒に、
自分で持ち物が管理できるようになるまでの一つのステップとして
「色分け」をすることがあります。
「教科別色分け」をすることで、忘れ物が減ったケースをご紹介します。
①教科の色を決める
生徒本人に「国語は何色やと思う?」と、本人の中にあるイメージカラーを聞き取ります。
勝手に「この教科はこの色」と決めてしまうのではなく、
本人が認識しやすいように必ず聞きとりをします。
面白いことに、イメージカラーがすっと出てくることがあります。
理由を尋ねると「ワークの表紙がこの色だったから」と、
本人なりの根拠が出てくるのです。
また、「青」と答えた場合でも薄い青か濃い青かを聞くと「濃い青です」と
返答があるなど、本人なりのイメージがしっかりあることも多いです。
②目印をつける
イメージカラーが決まれば、教科書にその色のマスキングテープを貼ったり、
ノートに画用紙で表紙を付けたりします。
国語が赤というイメージなら、国語に関連するもの全てに赤の印をつけていきます。
ノートの表紙には自分で名前と教科名を書き込ませます。
一つ一つの作業を本人にさせることで、記憶に定着させていくことができます。
③色で持ち物を指定する
テトラcocoで試験対策をする時に「国語を全て持ってきて」と指示します。
その時に国語は何色?と聞くと「赤」と答えてくれます。
「じゃあ赤色の物を全部持ってきてね」と伝えると、今まで忘れ物が多かった生徒が
全ての持ち物をそろえることができるようになりました。
何を使って記憶に結びつけるか、一目見て判断させるにはどうすればいいかを考えた時に
「色」が有効だった例です。大切なのは、本人と一緒に考えて試すことです。
「こんなことが!」と思うようなことでも、本人にとってはわかりやすかったりします。
子どもと一緒に考えながら試行錯誤をしていくことで、
有効な支援が見つかることがあります。