事例紹介
Case study
テトラcocoの定期テスト対策
新年度が始まり、2か月が過ぎました。中学生は新学年初めての中間テストを終え、
「点数が上がった!」や「もう少し頑張ればよかった・・」など、
担当の先生とテストの振り返りをしている姿が見られます。
一言で「テスト」と言っても、中学校のテストは小学校とは大きく異なり、
複数の単元で構成され範囲が膨大であることに加え、
合計数十ページに及ぶ提出物もあります。
特に、初めて定期テストに挑む新中学1年生は、何をどうしていいのか分からず、
途方に暮れてしまうことが多いように感じています。
そのような中でテトラcocoが行っているテスト対策は大きく分けて4つあります。
①テスト範囲表の整理
ほとんどの中学校は、テストの1週間前になると「テスト範囲表」を配ります。
このプリントには重要な情報がたくさん書かれているのですが、
情報の整理が苦手な子ども達にとっては、暗号のように感じてしまいます。
まずは、テスト範囲表に書かれていることを整理することから始めます。
(1)提出物がどこに書かれているのか
・提出物が書かれている箇所にラインマーカーをひく
・提出物の範囲を付箋などで印をつける
「テスト範囲に書かれている物を全部提出しなければいけない」と思っている
子どもは多く、「こんな量終わるわけがない」とパニックになる場合もあります。
しかし、やる内容が具体的になるだけで、「あ、思っていたよりも少なかった」と
安心することもあります。
(2)いつ、どこ(誰)に出すのか
・「日にち」、「提出場所」を明確にする
・出しそびれた場合の行動も明確にする
「提出物は全てできているけれど、提出できなかった」子ども達も少なくないです。
中学校は教科ごとに担当の先生が変わり、指示がばらばらになります。
付箋で提出物の表紙に貼ったりスケジュール帳に書いたりなど、
その子にとって一番わかりやすく、自分自身で確かめられる方法を探していきます。
この時、一番重要なのは「もし出しそびれてしまったらどうするのか」を
事前に伝えておくことです。
一度失敗してしまって、投げやりになったり諦めてしまったりせず、
自分自身で動いてリベンジする方法も同時にしっかりと教えます。
②提出物をすすめる
提出物が分かったら、一人で自習できる・・という訳でありません。
「自習」と言っても簡単ではなく、提出物をいざ目の前にして、
自力で進められる子どもは少ないように感じます。
(1)「自分で解ける」問題と「何かの力を借りるとできる」問題に分ける
・自分で解ける問題に印をつける
・何を使って調べるか、どのように調べるかを知る
定期テストも含め、今後控えている高校受験で必要になってくるスキルの1つは
「自分で解ける問題を選ぶこと」だと考えています。
その練習として、初めは担当の先生と一緒に相談しながら選んでいきます。
また、「調べる」というスキルも自習をする上では欠かせません。
「分からない問題は自分で調べなさい」や「答えを写しなさい」と
言ってしまいがちですが、子ども達自身は調べる道具は何があるかは知っているけれど、
詳しい使い方が分からない場合が多いです。
「教科書の索引の使い方」、「iPadの検索エンジンに入れるワード」、
「解答の見方」など一つずつ一緒に実践しています。
(2)計画(目標)をたてる
・いつどのページをするのか明確にする
・終わった課題はテスト範囲表に消し込みを入れる
見通しを持つことが苦手で、「どこから手を付けていったらいいのか」わからなかったり、
逆に「どこで終わったらいいのか」わからずやり続けてしまったりするので、
計画を立てることとその日その日の目標を目に見える形で
残すと安心して進められることが多いように感じます。
③子ども自身が覚えやすい方法で学習する
テストは、子どもたちにとって一番身近な「評価される場」です。
普段の授業に付いていけなかったとしても、今その子ができることを点数に残すことは、
子ども達自身の自尊感情を守るために大切なことの1つだと感じています。
ただ、テスト範囲が複数の単元で構成されるため、
全てをまんべんなく学習し身に付けるということは簡単ではありません。
その中で、子ども達の「得意」に合わせて得点源として狙う問題をピックアップし、
特性に合わせた方法を一緒に模索しながら学習を進めています。
(1)iPadのkeynoteを使用した学習
タブレットでの学習なので、「勉強」というイメージが軽減され、
抵抗なく取り組んでいる様子が見られます。
子ども自身のスマートフォンにも同期できるので、
自宅での学習で使用するように勧めています。
また、シート内の問題量を調整できたり、文字の大きさや字体だけでなく
見やすい背景色や文字の色に変更できたりするので、
「見る」ことが苦手な子ども達も取り組みやすいように感じます。
(2)単語帳、ノートを使った学習
理科や社会、英語などの暗記科目は、
暗記する問題の量や内容を子どもの様子を見ながら調整しています。
(3)プリント学習
各単元の重要語句をまとめたプリントを子ども1人1人に合わせて作成します。
手作りで作成する場合が多く、図を多く取り入れたり行間を開けたりと
各担当の先生がその子に合わせて工夫して作成しています。
子どもによっては、答えを順番に覚えてしまったり、
同じ答えなのに言い回しが変わるとわからなくなってしまったりすることがあります。
そういった場合は、上記の(1)と(3)を組み合わせたり、
言い回しを変えたプリントをさらに作成したりなど
状況に応じて変化させるようにしています。
各教科担当が自習の様子を見て、相談し学習教材を手直しすることもしばしばあります。
④テストの振り返り
・テストまでの過ごし方
・テスト勉強の仕方
テストを終え返却された後、できるだけ子ども達と振り返りをするようにしています。
子ども達から、「この教材が勉強しやすかった」や
「提出物しかできなくてテスト勉強ができなかった」など様々な感想が出てきます。
その振り返りを基に次の定期テストに向けての作戦会議を行っています。
テトラcocoでは、中学3年生で卒業となります。
その後子ども達が一人で勉強をしていくことを見据えて、
できるだけ子ども自身に合った勉強方法や計画の立て方を、
子ども達と相談しながら見つけていきたいと考えています。