読み書きの苦手な子どもの英語の学び方~英語学習の支援を考える~」講演会を開催しました。

読み書きの苦手な子どもの英語の学び方~英語学習の支援を考える~」講演会を開催しました。

テトラcoco谷町教室にて

「読み書きの苦手な子どもの英語の学び方~英語学習の支援を考える~」講演会に、

保護者、学校の先生方、支援に携われる方等、多くの方々にご参加頂きました。

 

講師は現在イギリス在住、Jolly  Phonics、Jolly  Grammar 公認トレーナーである、

山下桂代子先生で、子ども達のわかった!できた!やってみよう!

という気持ちと笑顔を大切にされている、ご自身の笑顔もとっても素敵な先生です。

 

今回お話しいただいたジョリーフォニックスという指導法は、

日本でも多くの学校や英会話教室等で取り組まれている、英語の読み書き指導法です。

 

今回の講演では、

1.国語と英語の読み書き指導(シンセティックフォニックス)

2.ジョリーフォニックス(基本の指導法)

3.ジョリーフォニックス(5つの基本的な技能)

4.指導の重要なポイント(多感覚とchild centred)

5.サポートとは(つまずきの理解と環境の整備)   の五つの項目で、

「読み書きの苦手さのある子どもへの英語活動の支援」についてお話を伺いました。

 

ジョリーフォニックスの特に素晴らしいところは、

多感覚(視覚、聴覚、触覚、運動感覚その他の感覚)を使って音を覚える

たくさんのアクティビティや指導方法が含まれており、

体系的に文字の読み書きを身につけるための授業の流れが考えられていることだと思います。

 

子どもたちが一人一人によって違う得意な感覚を使って文字を学ぶことができ、

それによって子どもたちが学ぶ時に感じる辛さのハードルが下がり学びやすくなります。

 

また、これにより指導者も、自分の得意な感覚を使ったものに偏って指導することを避けやすくなります。

例えば指導者自身が学ぶ時に「声に出す」方法が得意な場合、

指導する時にも声を出して繰り返し発音練習ばかりさせてしまう習性があります。

 

これでは耳から聞くことが学びやすい子どもや書くことが学びやすい子ども、

アクションで学びやすい子どもにはいいトレーニングにはなりませんし、

大きな苦痛になってしまう場合もあります。

 

指導者にとって苦手なアクティビティが抜けることなく、子どもたちが自分に合った方法で

学べるようにたくさんの方法を使って授業を進めることができます。

 

現在テトラcocoでもフォニックスクラスがあり、

小学4~6年生の子ども達がジョリーフォニックスを

基本にアルファベット26文字の文字と音のルールを学習しています。

(ジョリーフォニックスでは、小学校で習得する基本の音は42文字とされています。)

 

授業では子どもたちが文字の音を覚える時、

・指導者の口の形や動きをじっと見て覚える子ども

・目を閉じて発音を聞いて覚える子ども

・文字の形を見ている子ども

・アクションで覚えている子ども

・絵を見て覚えている子ども

それぞれに得意な感覚を使っている様子が見られます。

 

また、子どもたちが文字の音がわからなかったり、忘れてしまった時には、

「もう一回口の形を見せて!」「アクションはどうだった?」

「もう一回発音を聞かせて!」等、子どもたちが自分の得意な感覚の方法を

リクエストしてきます。

 

中学生になると学校で英語の授業が始まりますが、

小学校1年生の時に、「ひらがな」「カタカナ」等の文字の読み書きを

習得した時のように音と文字のルールを学ばないまま、

いきなり英単語の文字のかたまりで読み書きを覚えるように求められます。

 

それでは読み書きの困難な子どもたちにとって、

英語は意味のあることばではなく意味のない形の配列にしか見えず、

学習に苦痛を味わうことになります。

 

今回の講演では、

子どもが感じる読み書きの「困難さ」も実際に体験させていただきました。

 

黒板に書かれた知らない文字の羅列は、文字と認識することも、

見たままノートに書くことさえも難しく、

書いてみよう読んでみようとする気持ちになりませんでした。

 

子どもたちが形も音も知らない文字を学ぶ時の学習に感じる困難さや辛さが

想像以上であることに驚き、それを理解していなかったことを知りました。

 

子どもたちの指導において、子どもたちの「できない」に直面した時、

なぜできないのかどこに引っかかっているのかを考えることの大切さも実感しました。

 

たくさんの指導のアイデアや方法、事例を聞かせていただき、

山下先生の笑顔とお話に引き込まれて、あっという間の2時間でした。

 

子ども達の「わかった!できた!やってみよう!」という気持ちと笑顔が見られるように、

これからも子どもの学習支援に取り組んでいきたいと思います。